先月、連載スタートのご挨拶文にも書きましたが、王寺町とのご縁は、わたしが「寺」ではなくて、間違って「子」と書いたことにありました。当時、王寺町議会の議員として仕事をされていた方からのご指摘でした。穴があったら、入りたかったです。もちろん、人間とは不完全な存在ですから、誰しも、誤字を書いてしまうことはあるでしょう。けれど、人名や地名を間違って書いてしまうのは、言語道断です。書いたあとで、ちょっと見直すだけで、簡単に防げるミスです。
わたしもよく「小手鞠」を「小手毬」と、間違われることがあります。遠慮して、何も言わなかったために、のちにそれが大きな問題に発展してしまったことがあるので、それ以来、どんな場合でも、間違った人には「間違っていますよ」と、お伝えしています。そんなとき、返ってくる言葉はたいてい「変換ミスでした」という言い訳です。もちろん、それが本当の理由なのでしょうが、わたしはこう思うのです。
人の名前は〈変換する〉ものではなくて〈正しく覚えて書く〉ものでしょう、と。
これと同じことを、わたしはかつて「王子町」と書いてしまった自分に、常に言い聞かせています。しかしながら、この誤字が王寺町さんとの縁結びの神様となって、一冊の本ができあがったわけなので、誤字を書いたわたしを、ほめてあげたくなります。『ラストは初めから決まっていた』―ぜひ、王寺町立図書館で、この本に出会ってくださいね。本文中に誤字があったら、すぐにわたしに教えてください。