みなさん、こんにちは。わたしは「スワンレイクのほとりで」の作者です。
思い出してくれましたか?みなさんが四年生だったとき、三学期の国語の時間に教室で読んでくれた、あの作品。そう、歌とグレンがいっしょに野菜畑へ行って、ことばの追いかけっこをする物語です。
みなさんがこの物語を読んで書いてくれた感想文を、先生が文集としてまとめて、アメリカまで送ってくださいました。うれしかったです。作文用紙のますめのひとつひとつに書かれた、みなさんの鉛筆書きの文字に感動しました。文字と文章から、ひとりひとりの顔が見えてきて、声が聞こえてくるようでした。とくにうれしかったのは、みなさんが歌といっしょに、アメリカへ行ったような気持ちになり、歌がアメリカで経験したことを、みなさんも想像しながら、まるで自分が経験したかのように読んでくれたことです。
じつは、この作品に書いた歌の経験や気持ちは、今から三十年以上も前に、わたしがアメリカで暮らすようになってから経験したことや、感じた気持ちです。
アメリカに来たばかりのころ、わたしは英語がまったく話せませんでした。日本語で小説を書く仕事が忙しくて、英語の勉強をする暇もありません。だから、スーパーマーケットに買い物に行ってお店の人と話したり、野菜の名前を英語で覚えたりしながら、独学で英語を身につけていきました。
その国のことばを理解する、ということは、その国やその国に住んでいる人たちを理解する、ということなんだなと思いました。
みなさんも、日本国内で、外国からやってきた人を見かけて、その人が困っていたら、助けてあげてくださいね。もしも外国人の友だちができたなら、みなさんの世界はさらに広がっていきますよ。歌とグレンの世界みたいに、ね。
それではみなさん、また本のページのなかで会いましょう。